PP(プロダクトプレイスメント)とは

作品の中に商品が組み込まれているプロダクトプレイスメントでは、視聴者は宣伝されている商品から目を背けることはできません。

ただしその商品が無理に強調されておらず、自然に取り扱われていて、視聴者がストレスなく作品を鑑賞できるのであれば、こうした手法を拒絶する心理は多くの場合生まれないようです。

日本の映像作品は、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど多くの地域で好評を博しています。

スマートフォンの普及により、場所や時間の制約が以前よりもなくなり、オンラインでのコンテンツ消費も増えています。

動画配信サービスの場合、国を超えて放映されるケースもあります。海外の消費者が日本の映像作品を目にする機会も増えています。プロダクトプレイスメントによる商品の認知拡大、販売促進効果は今後ますます期待できると考えらるでしょう。

中国の映像作品が視聴者に影響を与えた例:広告効果が長く続く

2008年に上映された中国の映画『狙った恋の落とし方』(非誠勿擾)は、北海道を舞台にした作品です。映像作品が視聴者に与える印象の強さや、印象を与える期間の長さは特筆に値します。2020年現在、作品公開からすでに10年以上たっているにも関わらず、この作品に関連する場所として北海道旅行を検討したり実際に足を運んだりする人がいます。

また『君の名は。』は2016年に公開された映画ですが、この作品に登場する日本各地の景色は、3年後の2019年でも引き続き、訪日中国人の「聖地巡礼」需要に結びついています。

これらの事例からは、プロダクトプレイスメントが視聴者に影響を与える期間が数年~十数年と非常に長いことも確認できます。

中国の消費者のニーズについては、日本の恋愛ドラマで女優が着用していた衣類やアクセサリーを購入したいと考えるケースや、アニメ作品に出てくる飲食店に関連した食品に注目が集まる例も見られています。

新型コロナウイルスの流行により、世界各地で、日常の過ごし方、仕事のスタンダードが変わってきています。

エンターテインメント領域でも、コンテンツをオンラインで提供したり、乗用車から観賞したり、施設では追跡コードを提供したり、ソーシャルディスタンスの保てる施策を展開したりする様子が見られています。

同時に、自宅で快適に過ごすことへの関心も、かつてないほど高まっています。長編を観る時間を確保できることを背景に、日本でも韓国のドラマがブームとなっています。

作品の感想をSNSでシェアする姿が頻繁に見られています。

インターネットを通じ、映像はじめとするコンテンツは海外市場へリーチしやすくなっており、コンテンツに登場する商品も、作品同様、海外市場の消費者に認知される可能性は高いといえるでしょう。

また、その商品が魅力的であれば、SNS上での拡散も期待できます。

全国的な外出自粛により、「巣ごもり消費」がコンテンツ視聴への需要の高まりや、広告を受け付けない消費者心理の高まりを背景に、PPは今後ますます効果的な広告手法として存在感を増していくでしょう。

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